About

"Development and Evaluation of
     High Strength Materials Laboratory"
  • 高強度マテリアル 開発・評価 研究室

    高強度マテリアル 開発・評価 研究室における研究テーマは、 金属・合金の高温強度、破壊、塑性変形、超塑性 などに関する諸問題や高温加工とその後の熱処理に基づく組織制御 などに関するものであり、これらについて主に実験的研究を行います。 これらの研究を行うために開発した高温加工−急冷装置やマイコンを援用した真ひずみ速度制御の高温圧縮試験機は、 歴代の大学院生と卒業研究生による試作改良の結果、世界でも極めてユニークかつ強力な実験装置です。 走査型電子顕微鏡(SEM-EBSP)、透過型電子顕微鏡(TEM)、 X線回折装置などを用いて材料の構造解析を原子レベルで行います。
  • 巨大ひずみ加工による超微細粒材料の創製

    金属・合金の機械的特性は結晶粒径により大きく変化します。たとえば、結晶粒径を小さくすると強度が高くなります。しかし、従来の加工熱処理法では結晶粒径の下限は1μm程度でした。ところが、きわめて巨大なひずみを材料に加えると、200nm程度の超微細粒が得られます。三浦研究室では、独自に開発した「多軸鍛造(Multi-Directional Forging/MDF)法」で様々な超微細粒材料を創製し、その物性に関する研究を行っています。
    多軸鍛造法 movie
  • 双結晶材料の変形と力学的特性に関する研究
    通常用いる多結晶材料の力学的特性は、結晶粒界密度(粒径)や粒界構造によって大きく左右されます。この現象を解明する基礎研究として、粒界を1つだけ有し、粒界構造を任意に変化できる各種双結晶材料を作成して、以下の諸研究を行っています。
     1.粒界構造と粒界エネルギー
     2.低温から高温までの力学的特性に及ぼす粒界構造の影響
     3.粒界強度、粒界すべりに及ぼす分散粒子の影響、など。

  • 高温加工と熱処理を併用する組織制御に関する研究
    この研究を行うために開発した高温引張−急冷装置や真ひずみ速度制御の高温圧縮試験器は、世界でもきわめてユニークかつ強力な実験装置です。鉄鋼を始め種々の金属材料の高温変形特性とその変形組織、変形直後に生じる回復再結晶現象、鉄鋼ではその後の相変態特性と生成組織などに関する基礎研究から応用研究までを行っています。
     1.鉄鋼の高温加工と加工組織
     2.高温加工後の回復・再結晶現象
     3.高温加工後の拡散、無拡散変態
     4.鋳造組織の高温加工再結晶による改善効果
     5.高温加工性、など。

  • 動的再結晶現象とその工学的応用
    高温変形中に起こる再結晶すなわち動的再結晶現象は、高密度転位を含む加工組織であるためすぐに静的再結晶を起こします。比較的近年になって発見された現象なので未解明問題が多く残されており、その本性と機構の解明に取り組んでいます。同素変態を持たない大部分の金属材料の結晶粒組織の微細化に対して、動的再結晶と静的再結晶を併用すれば、その制御範囲を大幅に増加させることが期待できます。
     1.動的再結晶発現の材料学的力学的条件とその原理の解明
     2.動的再結晶後の静的再結晶と相変態
     3.微再結晶粒組織の生成と制御、など。


  • 超塑性現象とその工学的応用
    引張試験で全延びが数100%〜時には数1000%に達する超塑性現象は、難加工性材料の加工から複雑形状製品の一体成形まで工学的応用の可能性が期待されています。超塑性を発現させるための材料学的力学的条件とその原理の解明、超塑性変形機構の検討を行っています。
     1.微細粒再結晶材料の超塑性
     2.未再結晶材の高温変形下で生じる微細粒組織の形成と超塑性
     3.金属間化合物など難加工材料の加工に対する超塑性の応用、など。